イタリアのパンツ専業ブランドが作る本格デニム「PT TORINO DENIM」

イタリアきってのパンツ専業ブランド「PT TORINO（ピーティートリノ）」。以前はPT01（ピーティーゼロウーノ）というブランド名でしたが、創業地であるトリノへのトリビュートとともに“究極のパンツ”を創るという強い意志を込めてこの名に変更されました。50年以上にわたって培ってきた生地への深い造詣を活かしつつ、メンズクロージングにおいてもっとも重要なアイテムはパンツ、というコンセプトの下、専業ブランドとして技術とノウハウを注ぎ込んでいます。PT01のリブランディングに伴い、5ポケットパンツをメインとして展開されていたPT05は「PT TORINO DENIM」へと変更されました。ヤコブコーエンと比較されることが多いPT TORINO DENIMですが、どちらも「イタリアから見たアメカジ」という点では共通しています。フィッティングについても、ジャケットに合うデニムを目指し、両者とも素晴らしいものを作り上げているので甲乙つけ難いです。唯一の違いはテイストです。ヤコブがアメリカ的なのに対し、PT TORINO DENIMはセンシティブでイタリア的な仕上がりになっています。

ブランドの代名詞である基軸モデル「SWING」

PT TORINO DENIMでは、スキニーフィットの“ROCK”やテーパードシルエットでクロップド丈の“REGGAE”をはじめ、“SOUL”、“HOUSE”、“JAZZ”など、そのシルエットから連想される音楽のジャンルがモデル名としてネーミングされています。そんなPT TORINO DENIMの基軸モデルになるのが、今回ご紹介する「SWING（スウィング）」です。PT TORINOでも人気の高いSUPERSLIM FITを5ポケットジーンズに落とし込んだのが同モデル。ベーシックな5ポケットジーンズですが、デニム本来の素材を活かしたキレイな色落ちや肉厚のレザーを袋縫いにした味のあるレザーパッチなどからPT TORINOの意気込みが感じられます。

細身なのに穿きやすい完成されたシルエット「SUPERSLIM FIT」

フィッティングは、「SUPERSLIM FIT（スーパースリムフィット）」になります。PT TORINOでも多くの支持を集めるフィッティングであるスーパースリムフィットは、やや浅めの股上で、ぴったりとした腰まわり、ワタリから裾へと流れるようなテーパードシルエットになります。従来よりも裾幅が細くなった分、テーパードが強調され、さりげなくモードな雰囲気で穿きこなせます。従来同様、ヒップはコンパクトに作られており、後ろぐり（後ろ股上）が若干深めの作りになっているので優れたフィット感が得られます。バックポケットの位置が高いことも特徴で、スタイルアップ効果（脚長効果）が期待できます。極端に細くない（スキニーほど細くない）、加えてストレッチが効いているので動きづらさは皆無です。

お値段以上の満足感が得られる「高級デニム」と「拘りの加工」

PT TORINOを擁するコーベル社は、もともとは4代続く名門生地メーカーです。それゆえ5ポケットパンツの生地にもとことんこだわっており、すこぶる品質が高いです。こちらの品には、厳選されたコットン素材を原料にした糸をシャットル織機で織り上げた高級ストレッチデニムが使用されています。オールシーズンに対応する生地で、シッカリ感があるのに厚すぎず、デニム特有のゴワつきがほとんどなく、たいへん穿きやすい（扱いやすい）ことが特徴です。深みのある質感、ランダムに打ち込まれた経糸によるムラ感、美しい発色など、ジャパンデニムに一歩も引けを取らない素晴らしいクオリティです。実際に人が穿き込んだような自然な色落ち感で、職人が手作業でヒゲやアタリを施すことでリアルヴィンテージのような雰囲気に仕上げられています。この価格帯のデニムの中では完成度の高さはピカイチなので、品質重視の方にも必ず気に入って頂けると思います。ストレッチが混紡されているので、細身の作りでもストレスを覚えることはありません。屈んだときや椅子に座ったときに生地が突っ張らないので、とにかくラクチンですよ。